Cubaseエクスプレッションマップの罠:意図しない初期アーティキュレーションの回避法

Cubaseエクスプレッションマップの罠:意図しない初期アーティキュレーションの回避法
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この投稿の対象者
  • Cubaseのエクスプレッションマップを使用していて、最初からアーティキュレーションが設定されてしまい、困っている方
この投稿を読むメリット
  • エクスプレッションマップを使用したアーティキュレーションを正しく運用できます

実例はCubase Pro 13 (Windows)です。

tetsu7017
tetsu7017

この原因がわからなかったため、折角設定したエクスプレッションマップではなくキースイッチのMIDIノートでアーティキュレーション指示を代替することもありました

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最初からアーティキュレーションが適用される現象

外部インストゥルメントVSTプラグイン

外部インストゥルメントVSTプラグインの琴です。C0のshot(ショット)のアーティキュレーションが適用され続けており、琴のshot(短い音)が演奏されてしまいます。上記スクリーンショットのキーロールを見るとC0がオンの状態になってます。

原因究明

アーティキュレーションのタイプの確認

「エクスプレッションマップ設定」ウインドウを確認

「エクスプレッションマップ設定」ウインドウを確認。アーティキュレーションの「タイプ」が「属性」になっているので、問題ない。

「タイプ」には「奏法指示」または「属性」があります。

  • 奏法指示:一度設定すると、次に別の奏法が指定されるまで継続して適用されます。
  • 属性:各MIDIノートに個別に適用され、特定のノートにのみ影響を与えます。

参考:アーティキュレーション設定の投稿です。

ラッチモードの確認

ラッチモード確認

ラッチモードはオフになっているので、問題ない。

ラッチとは一般的な意味では「かけ金」や「固定装置」のことを指します。物理的な意味では、ドアや箱を開け閉めする際に使用される部品が「ラッチ」と呼ばれることがあります。一般的に「ラッチ」とは、電子工学やコンピュータの分野で使用される用語で、「スイッチが一度オンになると、その状態が保持される仕組み」を指します。これは、信号や状態を記憶・維持する役割を持ちます。

CubaseのエクスプレッションマップやMIDIコントローラーで、アーティキュレーションやエフェクトのオンオフをラッチモードで設定すると、演奏中にボタンを押し続ける必要がなくなり、操作が簡単になります。

MIDIデータのアーティキュレーションの確認

下ゾーンのコントローラーレーンで「アーティキュレーション/ダイナミックス」を確認。MIDIデータにもアーティキュレーションが適用されてないので、問題ない。

確認方法についてはアーティキュレーション設定の投稿を参照してください。

Cubase画面の名称

初心者のかたには、Cubase編集画面の各名称を覚えにくくわかりにくいと思いますので、イラストにまとめてみました。参考にしてください。

tetsu7017
tetsu7017

ChatGPTに相談したところ、上記の原因推定を提案してくれましたがすべてシロ。次の推定原因だけが残りました。

ChatGPTについてはこちらの投稿をご覧ください。

原因

エクスプレッションマップがロードされたとき、自動的に最初のスロット(C0 shot)が適用されるため

対策

Cubaseで「使用しないノートにリモートキーを割り当てる」方法は、エクスプレッションマップ設定を編集することで可能です。「リモートキー」列を空白にすることで、そのサウンドスロットを完全に無効化できます。これで不要な「C0 shot」などのアーティキュレーションが自動適用される問題を回避できます。以下の手順で行ってください。

リモートキーの再割り当て
  • 手順1
    エクスプレッションマップ設定を開く
    該当するインストゥルメントトラックを選択

    該当するインストゥルメントトラックを選択します。


    トラックインスペクター内の「エクスプレッションマップ」セクションを展開し、「エクスプレッションマップ設定」をクリックします。

  • 手順2
    サウンドスロットの確認

    「エクスプレッションマップ設定」ウィンドウが開いたら、「サウンドスロット」一覧を確認します。不要なアーティキュレーションが最初のスロットに割り当てられていることを確認します。

  • 手順3
    リモートキーの追加変更

    「+」を押してサウンドスロットを追加します。


    エクスプレッションマップ設定のサウンドスロット拡大

    追加したサウンドスロット(例:スロット13)をドラッグして一番上に移動させます。


    エクスプレッションマップ設定

    リモートキーを完全に未設定にします(空白にする)。

  • 手順4
    設定の保存

    変更が終わったら「保存」をクリックしてエクスプレッションマップの設定を保存します。

  • 手順5
    インストゥルメントVSTのキーロール設定
    VSTのキーロール設定

    C0がオンになってますので、クリックしてオフにします。


    VSTのキーロール設定
  • 手順6
    確認
    inspector内エクスプレッションマップ

    プロジェクトを再生し、不要なアーティキュレーションが初期状態で適用されないことを確認します。

まとめ

エクスプレッションマップ設定で空のスロットを用意

一番上のスロットがデフォルトでのアーティキュレーションとして設定されてしまいます。エクスプレッションマップ設定で、サウンドスロットの一番上には空のスロットを用意しておくことをお勧めします。

よろしければ引き続きこちらをお読みいただくと、知識が深まります。

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プロフィール
この記事を書いた人
tetsu7017

本業:IT製品機構設計エンジニア|副業:マルチクリエイター(DTMer、ホームページ作成、AI絵師、ブロガー、ライター)、江戸時代から続く家業の提灯海外販売を推進| 1970年生まれ

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