実例はCubase Pro 13 (Windows)です。
参考にする楽曲「リファレンス」のテンポを知りたかったため、検出方法を学びました。みなさんの参考になれば幸いです。
- 好きな楽曲をリファレンスとして使用する際にテンポを知りたいCuabaseユーザー
- テンポを検出しそれをそのまま作曲のBPMとして設定できます
CubaseにAIで作成した音源などのオーディオファイルを導入し、そのテンポを検出する手順は以下の通りです。
- まずはオーディオファイルをCubaseでオーディオトラックにインポート
- オーディオトラックのテンポ検出してテンポトラックを自動作成する
- プロジェクトのテンポを決める
リファレンスについては知りたい方は、こちらの記事を参照してください。
オーディオファイルをCubaseにインポートする
MP3やWAVなどのオーディオファイルを、Cubaseにインポートしてオーディオトラックにします。「ファイル」→「読み込み」→「オーディオファイル」をクリックしインポートするファイルを指定します。
オーディオトラックのテンポ検出方法
Cubaseでは、オーディオトラックのテンポを検出することが可能です。以下の手順で行います。
- 手順1オーディオイベントの選択
プロジェクトウィンドウで、テンポを検出したいオーディオイベントをクリックして選択します。
- 手順2テンポ検出の実行
メニューバーから「プロジェクト」→「テンポの検出」を選択します。
- 手順3テンポ検出の実行
表示されるテンポ検出パネルで「分析」をクリックします。
- 手順4テンポトラック自動作成
Cubaseがオーディオのテンポを解析し、テンポトラックと拍子トラックを自動的に作成します。
- 手順5拍子の調整
Cubaseは初期設定で1/4拍子として検出します。
実際の楽曲の拍子(例:4/4拍子)に合わせるため、拍子トラック上で適切な拍子を手動で設定します。Inspectorで拍子を変更します。
これらの手順により、オーディオトラックのテンポを検出し、プロジェクト全体のテンポと同期させることができます。
テンポの修正のやり方
リファレンスなどのオーディオデータは一定のBPMではなく、テンポが変化することがあります。下記の1~3のいずれかの方法で対処します。1が簡単で初心者にはおすすめです。2,3はこだわってオーディオデータまたはプロジェクトの一方を他方に正確に合わせる方法です。
1.プロジェクトを大まかなテンポで設定する
- 手順1テンポの確認
検出したテンポの実測値は揺らいでいる不安定な数字です。全体を見て大まかな平均値を把握します。
テンポトラックのどこかの点を「選択」で押すと、右上の「値」に数値がでます。上記の例だと130BPMくらいが大まかな平均値となります。
- 手順2テンポの入力
「テンポトラックの有効」のボタンをクリックして、有効ではない状態にします。
手動で平均値のテンポを入力します。
- 手順3ミュージカルモードの確認
オーディオイベントをクリックしてサンプルエディターを出します。
サンプルエディター画面の上中央にある、「♪」ミュージカルモードボタンを確認します。もし上記のオン状態であれば「♪」をクリックしてください。
上記のオフ状態でOKです。
2.オーディオデータをプロジェクトのテンポに合わせる
Cubaseのオーディオワープ機能は、オーディオデータのタイミングを柔軟に調整するための強力なツールです。これにより、リファレンスや録音した音源のタイミング補正や、プロジェクトのテンポに合わせたオーディオの同期が容易になります。
- 手順1オーディオイベントの選択
プロジェクトウィンドウで、タイミングを調整したいオーディオイベントをダブルクリックします。
サンプルエディターが開きます。
- 手順2オーディオワープの有効化
サンプルエディターの左ゾーン、または
プロジェクトウインドウの左ゾーン「Inspector」にある「AudioWarp」セクションの「フリーワープ」モードをオンにします。
- 手順3ワープマーカーの追加
波形上でタイミングを調整したい位置をクリックしてワープマーカーを追加します。
- 手順4タイミングの調整
追加したワープマーカーをドラッグして、目的のタイミングに合わせます。
- 手順5編集の終了
ワープマーカーの編集後、ツールを別のもの(例: 鉛筆ツール)に切り替えることで、ワープ編集モードを終了できます。
3.プロジェクトをオーディオデータのテンポに合わせる
テンポトラックを活用することで、楽曲の自然な揺れを再現したり、リファレンス曲の微妙なテンポ変化を正確に追従することができます。この機能を活用します。
- 手順1テンポトラックエディターの起動
メニューバーから「プロジェクト」→「テンポトラック」を選択します。(ショートカットキー [Ctrl]+[T]/Macの場合は [Command]+[T]))
「テンポトラックエディター」が表示されます。
「テンポトラックの有効」を押すと、テンポの詳細な編集が可能になります。
- 手順2テンポイベントの追加
「テンポトラックエディター」内で、鉛筆ツールを使用します。
テンポを変更したい位置をクリックし、テンポイベントを追加します。
必要に応じて「スナップオン/オフ」をクリックしてください。
- 手順3テンポの編集
追加したテンポイベントを「選択ツール」で選択し上下にドラッグしてテンポを調整します。
または「テンポトラックエディター」左上の「値」に数値を入力します。
調整したい箇所にバー移動させて、数値入力することもできます。
- 手順4テンポカーブのタイプ変更
- テンポの変化を滑らかにしたい場合、テンポイベント間のカーブタイプを「ジャンプ」から「引き寄せ」に変更します。
- テンポトラックエディターの情報ラインで、タイプを選択して変更できます。
- 手順5テンポトラックの有効化
プロジェクトウィンドウのツールバーにある「テンポトラックの有効」ボタンを適宜押して有効にしてください。
- 手順6テンポトラックの適用
これにより、テンポトラックの設定がプロジェクト全体に適用されます。
テンポトラックとは
テンポトラックを使用することで、楽曲の途中でテンポを変更することが可能です。これにより、Aメロやサビなどのセクションごとにテンポを変えたり、徐々にテンポを速くしたり遅くしたりといった表現が容易になります。
Cubaseのプロジェクトには、通常、テンポトラックは1つだけ存在します。このテンポトラックを使用して、楽曲全体のテンポ変化を管理・編集します。複数のテンポトラックを同一プロジェクト内で使用することはできません。
まとめ
Cubaseのテンポ検出機能を使えば、リファレンス曲や録音した音源のBPMを正確に把握し、作曲や編曲に活かすことができます。さらに、オーディオワープ機能、テンポトラックの活用を組み合わせることで、より完成度の高い楽曲制作が可能になります。ぜひこの機能を活用して、制作のクオリティを向上させましょう!
よろしければ引き続きこちらをお読みいただくと、知識が深まります。
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